INTERVIEW

ヘルスケアサイエンス部門 / 博士前期課程 2年

栗原 毅

トップページ   学生の声   様々な観点から医療現場を支えたい

様々な観点から医療現場を支えたい

岡山大学薬学部で今まで行ってきた、膵臓がんの腫瘍内線維化における筋線維芽細胞分化の重要性に関する研究を、薬学の知識のみならず、様々な分野に視野を広げ、知識を深め、多面的に取り組んでいきたいと考えたからです。 私が入学する前年度にヘルスシステム統合科学研究科が設立されました。この研究科では、私の出身学部である薬学部の知識のみならず、工学系などの様々な分野の知識を習得でき、幅広い考え方が身につける事ができると考え、入学を決めました。本研究科での病院実習などで実際の医療現場を経験できる点にも魅力を感じました。 実際に本研究科で学んでみて、様々な学部の授業を学ぶ機会が豊富にあると感じました。具体的には、工学部でビックデータに関する授業や、社会文学部系の授業などです。そのような異分野専門の先生方の授業を受けられる機会はほとんどないと思いますので、とても魅力的でした。 また、ヘルスケアサイエンス部門に限って言えば、実際に医療の「現場」を経験されている先生方がいらっしゃる点が魅力的です。この研究科で特徴的である「先進病院実習」などで、自ら現場を経験できることも貴重ですが、そのような方々の生の声を聞ける点にも魅力を感じました。 将来に関しては、製薬企業に勤めて、未だ治療法のない患者さんに新薬を届けたいと考えています。本研究科および医療技術臨床応用学分野の研究室での活動を通して、苦しんでいる患者さんがたくさんいること、またそのような疾患の病態理解には非常に時間がかかることを学びました。「先進病院実習」などで現場を見た経験なども活かして、製薬企業に勤めて、臨床試験のマネジメント業務や治験コーディネーターとして新薬開発に携わりたいと考えています。

現在の研究テーマについて

私の研究内容は、「臨床的に認められる膵がん患者の線維組織を観察可能な新規モデルの構築」です。薬学部の授業で、膵がんが難治であり、治療法が確立していないことを学びました。そこで、膵がん治療の発展に寄与したいと考えて、この研究を始めました。膵がんは、がんの中でも特に予後が悪く、その一因に、間質の線維化が挙げられます。線維化は、膵がん細胞の増殖や遊走に関わるほかに抗腫瘍免疫や薬物送達の効率を減弱させます。線維化は、膵がん細胞と線維芽細胞との相互作用により進展するとされるが、従来の培養系ではこうした相互作用を十分に再現できませんでした。本研究では、まずヒトの膵がん病理組織を検討し、腫瘍実質と間質の空間的配置やそれぞれの割合を観察しました。次に、三次元培養法を用い、膵がん細胞と線維芽細胞を立体的に共培養することで、病理組織に基づく治験を模倣する新規培養法を確立しました。

これから入学を考えている方々へのメッセージ

ヘルスシステム統合科学研究科では、様々な専門知識を有する先生方の授業を受けることができるため、考えの幅が広まると考えます。実際に、私もいろいろな分野の授業を受けて知識を得ました。さらに、そこで深めた教養を自分の研究に活かし、新たな知見を得ることができました。一つの分野に捉われることよりもあらゆる知識を多面的に身につけることの重要性を教えていただける貴重な場だと考えます。ぜひ、入学後に様々な授業を履修して、考えの幅を広げてください!