INTERVIEW

ヘルスケアサイエンス部門 / 博士前期課程 2年生

チョウモリカ

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憧れだった日本での留学と研究の楽しさの追求

私は中国・内モンゴル自治区出身の留学生です。2018年6月、内モンゴル民族大学モンゴル医薬学部を卒業し、大学を卒業した後専門性を深めるために同年9月日本へ留学に来ました。
日本の医学・医療技術はアジアのみならず世界でも有名で、高校生の時代から日本に留学する夢がありました。そして、学部を卒業し、両親の援助を得て、日本への留学が可能になったのです。学部生の時、特に眼科に興味がありました。なぜなら眼科は手術もできるし、内科的治療もできるからです。また、子どもも診られるし、高齢者も診られる医科だからでもあります。
岡山大学ヘルスシステム統合科学研究科・岡山大学病院の松尾俊彦先生は眼科に豊富な経験を持ってらっしゃいます。視覚に関する研究(トレハロース点眼薬の開発、人工網膜の開発、斜視の遺伝解析など)が行われています。特に、人工網膜の開発は日本および世界中に注目されています。私は先生の研究している人工網膜の開発、斜視の遺伝解析など課題にとても興味があるので、眼科について先生のご指導・意見を受け、その知識を身につけていくことは幸いではないかと思って、入学しました。

本研究科では松尾先生が主導され、視覚に関する研究(トレハロース点眼薬の開発、人工網膜の開発、斜視の遺伝解析など)が行われています。斜視の遺伝解析に関する研究を、先生たちのご指導のもとに進めています。不明確なところが多いため、検討しながら、先生たちの指導・意見を受け、その知識を身につけていくという一連の流れは、良い機会を私に与えていると思います。

現在の研究テーマについて

斜視とは、両眼視機能の異常をきたした状態、両眼の視線が正しく見る目標に向かわないもののことを言います。外見上は片方の目が正しい方向を向いているのに、他の目が内側や外側、あるいは上下に向いている異常です。
私たちの以前の研究では、日本人家族の内斜視と外斜視の両方を含む付随斜視の4q28.3および7q31.2領域の感受性遺伝子座を特定し、一塩基多型(SNP)分析を行って染色体遺伝子座を単一遺伝子に絞り込みました。最後に、MGST2遺伝子とWNT2遺伝子を斜視関連遺伝子として特定しました。2018年には、群馬大学と共同研究して、CRISPER Cas9技術を使って、MGST2ノックアウトマウスを作成しました。現在はMGST2ノックアウトマウスの交配を進めています。ヘテロ接合体かどうかをPCRによる遺伝子増幅を行って同定し、このヘテロ接合体の個体と野生型の個体とをかけ合わせることで、ヘテロ接合体の眼球網膜や視神経、大脳に異常がないかを組織学的に調べています。
本研究の魅力と言えば、現時点では不明確なところが多い検討することを通じて、実証されることです。この研究を通じて、1つ目は前の研究の結果をさらに証明することであり、2つ目は共同性斜視の患者様に早期の予防と治療をもたらすことであると考えています。

これから入学を考えている方々へのメッセージ

ヘルスシステム統合科学研究科では工学・医歯薬学・保健学・人文社会学などの複数の専門分野が融合している研究科です。こちらで幅広い分野を学ぶことができます。他の研究分野も知り、学び、視野を広げることで、さらに自分の研究を深めることができ、また、実際の医療現場に行って、医療現場を構成する人々と仕組み(ヘルスシステム)の課題を探し、理解し、そして物質面及び人間の理解を併せ持って、それに対する解決策案、研究及び技術開発を考えることもできます。
本研究所は、松尾先生が主導とされ、視覚に関する研究(トレハロース点眼薬の開発、人工網膜の開発、斜視の遺伝解析など)が行われています。関心の高い学生たち、私たちと一緒に研究しませんか。