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2023.04.20

<プレスリリース>香醋に含まれる化合物が、糖鎖生合成を介した病気対策に

◆発表のポイント

  • ・体に良いと言われている黒酢の効能の一つを明らかにしました。黒酢に含まれる化合物、5-ヒドロキシ4-フェニルブテノリドには、ストレスの一種であり、アルツハイマー病、脳梗塞、心臓血管疾患などと関係する酸化ストレスを解消するのに役立つ、抗酸化能力があります。
  • ・本研究では、この化合物やその他の植物由来の抗酸化能力をもつ化合物が糖鎖生合成を調節していることを見出しました。

学術研究院ヘルスシステム統合科学学域佐藤あやの准教授の研究室(岡山大学オルガネラシステム工学研究室)は、体を構成し、生命の最小単位である細胞、その中にある細胞小器官(オルガネラ)やオルガネラの一つで糖鎖生合成に関わるゴルジ体の研究をしているグループです。また、共同研究者の神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科の辻野義雄教授の研究室では、コスメトロジー(化粧品学)の研究を、国立遺伝学研究所大量遺伝情報研究室の坂本美佳 特任研究員はゲノム解析の研究をしています。今回の共同研究では、さまざまな病気の原因となる酸化ストレスを解消する薬となり得る黒酢由来の化合物に、糖鎖の生合成を変化させる効能があることを見出しました。
本研究成果は、2023年2月13日、PLOS ONEに掲載されました。今後、この発見を病状判断などのマーカーとして活かすことができるかどうかを検討していきたいと考えています。

◆研究者からひとこと

糖の研究は難しい、と言われていますが、GlycoMapleという誰でも簡単に利用できるツールが開発され、それが今回の研究に大きく役立ちました!
一緒に研究してくださる方を募集中です。

 

■論文情報
論 文 名:Fucosyltransferase 8 (FUT8) and core fucose expression in oxidative stress response
掲 載 紙:PLOS ONE
著  者:Yuki M. Kyunai, Mika Sakamoto, Mayuko Koreishi, Yoshio Tsujino, Ayano Satoh
D O I:https://doi.org/10.1371/journal.pone.0281516
U R L:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0281516

■研究資金
本研究は、科研費の支援を受けて実施しました(21H05028, 22K06128)

<詳しい研究内容について>
香醋に含まれる化合物が、糖鎖生合成を介した病気対策に[PDF]

<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院ヘルスシステム統合科学学域
准教授 佐藤あやの
(電話番号)086-251-8163