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バイオ・創薬部門細胞機能設計学分野

Calmodulin依存性タンパク質リン酸化酵素の構造と機能研究

全ての真核細胞において、遊離の細胞内カルシウムイオン(Ca2+)はセカンドメセンジャーとして細胞内情報伝達を調節し、筋収縮、代謝制御、免疫応答から神経機能に至る多様な細胞応答を制御します。中でもタンパク質リン酸化反応はCa2+情報伝達経路においても細胞内シグナルの増幅、時空間的制御などの点から中心的な役割を担う生化学的反応であり、Ca2+/ calmodulin依存性タンパク質リン酸化酵素(CaMキナーゼ)により触媒されます。CaMキナーゼの中でも、我々自身が世界に先駆けて分子同定し、遺伝子クローニングに初めて成功したCa2+/CaM-dependent protein kinase kinase (CaMKK)は下流の標的リン酸化酵素をリン酸化し活性化することで、CaMキナーゼカスケードと名付けた情報伝達機構(左図)を構成することを明らかにしました。また、 CaMKKに対する阻害剤STO-609やTIM-063の開発にも成功し、世界で本シグナル伝達機構の生理機能解明に使用されています。これにより、本情報伝達機構が高次中枢神経機能から代謝調節さらには前立腺ガン、非アルコール性脂肪性肝疾患などの疾患との関連が明らかにされ、創薬分子標的としての重要性が明らかとなりつつあります。

研究室データ

バイオ・創薬部門 細胞機能設計学分野
教授 德光 浩
助教 曲 正樹

助教 大塚 里美

http://www.okayama-u.ac.jp/user/saibou/