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医療機器医用材料部門認知神経科学分野

7T超高磁場レイヤーfMRI技術を新機軸としたヒト脳の多階層な機能の解明

現在、ミクロとマクロの脳機能に関する研究は、両極に細分化・分断化されて研究を進められているのが現状である。いわば、「木を見て森を見ず」の研究と「森を見て木を見ず」の研究が分断されており、これが脳の本質的な理解を進める上で、大きなボトルネックとなっている。今、脳の機能素子である神経細胞と全脳をつなぐ皮質層レベルでの情報処理機構の解明が求められている。本研究では、独自開発のレイヤーfMRI撮像法を更に解像度向上と撮像範囲拡大を実現し、従来技術の「皮質層定位不能」などの問題を克服した革新的なヒト脳イメージング技術を開発することが研究目標の一つである。このレイヤーfMRI技術を新機軸として、ミクロとマクロの中間にある皮質層の機能を解明し、そのギャップを埋めることが期待されている。本研究の推進により、現代脳科学の中で分断化された研究諸領域を結びつけて、ミクロからマクロまで脳機能の階層を超えた統合的理解が可能になり、各階層の研究を相互に触発し、新たな研究領域の創出が期待される。
また、世界的な高齢化の加速に連れて、認知症をはじめとする神経変性疾患患者の増加は大きな社会問題となっているが、これらの神経変性疾患の多くは診断技術と抜本的な治療法が確立されてないのが現状である。提案者が独自開発のレイヤーfMRI技術を利用して、神経変性疾患の進行に伴う皮質層活動の異常および複数領域間における皮質層間回路の異常の検出ができれば、これらの疾患の病因解明と早期診断法の開発に繋げると期待される。

研究室データ

医療機器医用材料部門 認知神経科学分野
教授 楊 家家
准教授 高橋 智