ヒューマンケアイノベーション部門科学史技術論分野
帝国大学における研究者の知的基盤に関する研究
本研究では、研究者の思想の基底にある「知的基盤」(学問的素養・組織体制・人的関係など)に着目し、科学動員や翼賛体制など外的要因の変化の著しかった戦時期において、帝国大学の研究者たちが、それら外的要因の変化に対して、その状況を、どの様に認識し、いかに振る舞ったのか(適応性)、またそれぞれ研究者の適応性がいかなる「知的基盤」形成の上に成り立っていたのか、を教育史・日本史・日本思想史の各歴史研究分野の研究者による総合的研究により明らかにしようとしています。本研究の成果は、戦時期の帝国大学の研究者の「知的基盤」という新たな視座を提供するのみでなく、現代日本の大学が抱えている課題である、学術研究の在り方を考察する上での示唆を与えることが期待されます。研究成果の一部は『帝国大学における研究者の知的基盤ー東北帝国大学を中心としてー』として刊行されました。
研究室データ
ヒューマンケアイノベーション部門 科学史技術論分野
教授 吉葉 恭行
助教 古俣 めぐみ