Research

トップページ   研究   人文学・ケアの現場・老年学を架橋するー〈老年人文学〉の構築

ヒューマンケアイノベーション部門日本文化論分野

人文学・ケアの現場・老年学を架橋するー〈老年人文学〉の構築

超高齢者社会の諸問題を研究する学問分野として、老年学研究があります。これまでの老年学研究は、医学・看護学・生物学等の自然科学、社会福祉学・心理学・法学・経済学等の社会科学が中心であり、人文学の研究との接点はほとんどありませんでした。しかし、老いをどのように捉えるのか、いかに死と向き合うのかなど、これからの超高齢社会を支える考え方は人文学の研究からもアプローチする必要があるのではないでしょうか。こうした問題意識を根底に置き、本プロジェクトでは、人文学・ケアの現場・老年学を架橋する新たな〈老年人文学〉という学問分野を切り開くことを目的としています。科研費・基盤研究B(特設分野研究「ネオ・ジェロントロジー」)に採択され、2014年度〜2018年度の期間で研究を行いました。その研究成果として、論文集『老い-人文学・ケアの現場・老年学-』(ポラーノ出版、2019年)を刊行しました。2019年度には岡山大学次世代研究拠点形成支援事業に「次世代研究育成グループ」として採択、2020年度には同事業において「研究拠点形成グループ」に採択され(研究課題名「老年人文学」の創出と研究拠点形成)、「日本社会の「老い」をめぐる分野横断的研究」(科研費・基盤研究A)とともに、老い・看取り・死をめぐる人文学の研究拠点形成を目指してプロジェクトを推進しています。さらに、「長生きはめでたいことなのか?」「死とは迷惑をかけることなのか?」など、現代の死と生について読者とともに考える論集『老い・看取り・死をみつめる6つの問い』の刊行に向けて研究を進めています。

研究者データ

ヒューマンケアイノベーション部門 日本文化論分野
教授 本村 昌文