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ヘルスケアサイエンス部門生体機能再生再建医学分野

視覚を科学する!〔斜視関連遺伝子( 両眼視機能関連遺伝子)の解明〕

ヒトや動物は両眼で物を視ている。この両眼視機能の異常をきたした状態が斜視であり、遺伝要因と環境要因が関与する多因子疾患である。これまで行ってきた共同性斜視の臨床研究から、小学生の約1%に内斜視や外斜視が見られること、斜視患者では家族歴の頻度が高く斜視家系が存在すること、一卵性双生児は二卵性と比べて斜視の表現型の一致率が高いことが分かった。また、遺伝統計の権威であるDr.JurgOtt(Rockefeller大学)との共同研究により、共同性斜視の55家系で全染色体連鎖解析を行い、斜視(両眼視)関連遺伝子座を発見。さらに、SNPによる連鎖解析を行い、斜視関連遺伝子座の4q28.3領域ではMGST2、7q31.2領域ではWNT2を斜視関連遺伝子として特定した。2018年には日本医療研究開発機構(AMED)創薬等先端技術支援基盤プラットフォム(BINDS)の支援を得て、群馬大学生体調節研究所の畑田出穂教授との共同研究によりCRISPRCas9技術を使ってMGST2ノックアウトマウスを作成しており、今後、両眼視の神経機構を解明していく予定である。

視覚を科学する!〔斜視関連遺伝子( 両眼視機能関連遺伝子)の解明〕

研究室データ

ヘルスケアサイエンス部門 生体機能再生再建医学分野
教授 松尾 俊彦