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ヒューマンケアイノベーション部門日本文化論分野

「迷惑をかけたくない」とは、どういう意識か?そしてなぜそう思うのか?-日本社会の「老い」をめぐる分野横断的研究-

現代日本では、老いや死を考える際に「家族や子どもに迷惑をかけたくない」という意識が広くみられます。この話を聞くと、「日本人なら誰でもそう思うのでは」と感じる人が多いのではないでしょうか。こうした「迷惑をかけたくない意識」は、要介護者や高齢者の精神的QOLの低下、病気や老いへのネガティブなイメージの形成につながっていると考えられますが、この意識に関する体系的な研究はほとんどありません。「迷惑をかけたくない意識」の本質を探ることは、要介護者、病や死に直面する人々の精神的QOLの向上に資すると考えられますが、一つの学問分野だけで成果をあげることは難しい課題です。そこで、このプロジェクトでは、現代日本の老いから死において広範に見られる「迷惑をかけたくない意識」に焦点を当て、人文学(哲学、思想史、生命倫理学、科学技術史、日本史、日本文学、文化人類学)を基幹としつつ、看護学や心理学と協働し、ケアの現場に根ざしながら統合的研究を行い、「迷惑をかけたくない意識」の構造とその特質を解明することを目指しています。本プロジェクトは、2020年度から科研費・基盤研究Aに採択され(課題番号20H00007)、海外の学術研究機関とも積極的に交流しながら、研究を進めています。

研究者データ

ヒューマンケアイノベーション部門 日本文化論分野
教授 本村 昌文