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沿革

岡山を含む「地方」では、社会の変化に的確に対応し、地域から新たな経済活動を創出し地域の活性化を担うことのできる人材の育成が重要です。つまり、この人材により地域に自律的・持続的な社会イノベーションシステムが構築されることが必要なのです。

岡山県は、地理的にはそれぞれ50万人を超える人口規模を持つ岡山市・倉敷市等の都市圏から、海岸沿いの工業地帯、農業を中心とする地域、北部の過疎化した中山間部により構成されています。また、歴史的には緒方洪庵ら優れた蘭学者たち、近代的実業家・慈善家としての大原孫三郎、「社会福祉の父」といわれる石井十次を輩出し、民生委員制度の先駆けとなった済生顧問委員制度を生み出した地です。岡山では、こうした医療や福祉の歴史と文化を擁しながら、これからの社会を支える価値観やシステムの構築に資する教育と研究を推進していく土壌が育まれてきたと考えます。

岡山大学では、まず医工連携の教育研究基盤を推進するために、平成27年に自然科学研究科を改組して生命医用工学専攻を設置しました。「研究大学強化促進事業」に採択される中、大学病院、自然科学研究科、医歯薬学総合研究科を中心に、人工網膜、新素材、人工筋肉、ナノバイオ創薬、介護ロボット、情報セキュリティー、移動通信などの研究開発に取り組んできました。また大学病院は「臨床研究中核病院」の指定を受けて、実用的な研究開発を推進し、その成果を臨床試験へ導く基盤が形成されています。更に岡山大学は平成26年度より文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」に採択されており、グローバル実践型教育や医療工学分野の強化をその柱としています。

この大学院の構想は、平成25年度から開始しました。医工の分野横断的な教育を展開するための生命医用工学専攻の設置を経て、研究科として構想を拡大する過程で、技術開発を進めるだけでは、人間が使いやすい産物が作り出されるとは限らず、社会の必要に応え人間が使いやすく受け入れやすいものを創出できて、初めて社会実装可能な科学技術となるという概念を新ためて盛り込みました。これを理解し実現できる人材育成には、医用工学的つまり自然科学的な視点だけでなく、臨床現場での課題を踏まえた視点、健康や幸せという人間の根源的な問いに関してアプローチする視座、つまり人文社会科学的な視点が必要と、岡山大学は考えました。

これまでの既存の研究科に別々に所属する教員同士あるいは学生同士が協働するというだけでは実現が難しいとの考えから、医工連携に加えて文理融合の教育を行うための教員組織が岡山大学に生まれ、本研究科が平成30年度から発足したのです。教員も学生も、異なる専門性を背景とする人々が一研究科として時間と場を共有することで初めて生まれる有益な議論や、有機的な連携が大きな成果につながるものと期待が寄せられています。